ヘッダの概要

Expect-CTヘッダは、ウェブサイトのセキュリティを向上させるために開発されたHTTPヘッダの1つ。 ウェブサイトが使用しているTLS証明書をCertificate Transparency(CT)ログに記録することを要求する。 CTログは、証明書の透明性を提供するシステムで、公開された証明書のリストを保持している。これにより、ウェブサイトの所有者は、誤って発行された証明書や悪意のある証明書による攻撃を防ぐことができる。

Certificate Transparencyの目的

Certificate Transparencyは、インターネットセキュリティの問題を解決するために開発されたものである。主な目的は、証明書の透明性を提供し、証明書の不正な発行を検出することである。CTログを使用することで、ウェブサイトの訪問者は、サイトが使用している証明書が正当であることを確認できる。

Expect-CTヘッダの設定方法

Expect-CTヘッダは、ウェブサーバーの設定に追加することができる。以下は、一般的なExpect-CTヘッダの設定例である。
 
設定値の概要は以下の通り。
設定値概要
max-ageブラウザがExpect-CTヘッダをキャッシュする期間を秒単位で指定する。
enforceブラウザはCTログに記録されていない証明書を拒否する。
report-uriブラウザがCTログに記録されていない証明書を検出した場合に報告するURIを指定する。

Expect-CTヘッダの効果

Expect-CTヘッダを設定することで、ウェブサイトの訪問者は、証明書が正当であることを確認できる。また、ウェブサイトの所有者は、証明書の不正な発行を検出し、それに対処することができる。具体的には、以下のような効果が期待できる。

証明書の不正発行の検出

CTログを利用することで、証明書の不正発行や誤発行を検出し、ウェブサイトの所有者が適切な対策を講じることができる。

訪問者の信頼向上

ウェブサイトがExpect-CTヘッダを設定することで、訪問者はそのサイトが正当な証明書を使用しており、安全に利用できることを確認できる。これにより、訪問者の信頼が向上する。

セキュリティ攻撃の防止

Expect-CTヘッダが適切に設定されている場合、悪意のある証明書によるセキュリティ攻撃を防ぐことができる。ブラウザは、CTログに記録されていない証明書を拒否し、悪意のある証明書による攻撃を未然に防ぐ。

Expect-CTヘッダの注意点

Expect-CTヘッダを設定する際には、いくつかの注意点がある。

サーバーの負荷

CTログへの報告機能を使用する場合、サーバーに負荷がかかる可能性がある。報告の頻度やサーバーの性能によっては、サーバーが過負荷になることがあるため注意が必要である。

ブラウザの対応状況

すべてのブラウザがExpect-CTヘッダをサポートしているわけではない。そのため、ブラウザの対応状況を確認し、適切な対応を行うことが重要である。

設定の誤り

Expect-CTヘッダの設定が誤っていると、訪問者がウェブサイトにアクセスできなくなる可能性がある。設定を変更する前に、十分な検証を行い、適切な設定を行うことが必要である。