写真編集上達のためにヒストグラムと調整項目を理解する
「写真を上手に編集したいけど、どのように調整すれば良いか分からない!」とお悩みではありませんか?
PhotoShopなどの専門の写真編集ツールだけでなく、スマートフォンの写真編集機能でも様々な補正項目があります。
この記事では、写真編集スキルの向上に欠かせない「ヒストグラム」の理解と、それぞれの補正項目がどのように写真に影響を与えるかを分かりやすく解説しています。
ヒストグラムの概要各調整項目の概要明るさの調整項目露出ブリリアンス(Brilliance)ハイライトシャドウコントラストブラックポイント色の調整項目彩度自然な彩度温かみ色合いその他の調整項目シャープネス精細度(Clarity)ノイズ除去(Noise Reduction)ビネット(Vignette)かすみの除去
ヒストグラムの概要
写真は画素(ピクセル)と呼ばれる点の集まりで成り立っています。
ヒストグラムとは、写真内のそれぞれの画素の明るさの分布をグラフ化したものです。
以下の図はヒストグラムの一例です。
横軸は画素の明るさ、縦軸は画素数を示します。
3種類のグラフがありますが、それぞれ赤・青・緑の色別に分布表示されています。
また、画素明るさは以下の5段階に分類されます。
- 黒レベル:最も暗い部分(「黒」の基準となる部分)
- シャドウ:中間調よりも暗い部分
- 中間調:明るさが中間の部分
- ハイライト:中間調よりも明るい部分
- 白レベル:最も明るい部分(「白」の基準となる部分)
各調整項目の概要
以降では各補正項目の概要と効果について説明します。
明るさの調整項目
露出
露出では、写真全体の明るさを調整できます。
全ての画素を一括して明るさを変更します。
ブリリアンス(Brilliance)
ブリリアンスでは、中間調の画素のみに絞り、コントラストと明るさを調整できます。
露出とは違ってハイライトやシャドウを極端に変更しないため、全体的なバランスを保ちながら、写真のディテールや色彩を引き立てます。
ハイライト
ハイライトでは、中間調より明るい画素の明るさを調整できます。
写真内の最も白い部分(白レベル)の画素は調整対象には入りません。
シャドウ
シャドウでは、ヒストグラム上の中間調より暗い部分の階調を調整できます。
写真内の最も暗い部分(黒レベル)の画素は調整対象には入りません。
シャドウを持ち上げると、暗い部分のディテールがより見えやすくなり、全体的に明るい印象になります。
逆にシャドウを深くすると、写真がドラマチックでコントラストの強い印象を与えます。
コントラスト
コントラストでは、写真の明るい部分と暗い部分の差を大きくするため、中間の明るさの部分の輝度を調整できます。
コントラストを高めると、写真が鮮明で力強い印象になります。
一方、コントラストを下げると、より柔らかでドリーミーな印象を与えることができます。
ブラックポイント
ブラックポイントでは、写真内の最も暗い部分(黒レベル)の画素に絞って明るさを調整できます。
写真全体の深みやコントラストを強化できます。
ブラックポイントを下げると、写真の黒い部分がより深くなり、全体的に引き締まった印象になります。
ブラックポイントを上げると、黒に近い部分の詳細が分かるようになります。
色の調整項目
彩度
彩度では、写真の色の鮮やかさを調節できます。
彩度を上げると、写真の色がより鮮やかになり、目を引く印象を与えます。
逆に彩度を下げると、写真が落ち着いたトーンになり、モノクロに近い表現も可能です。
自然な彩度
自然な彩度は、彩度に似ていますが、写真の一部の色だけが過度に鮮やかになるのを防ぎつつ、全体的に生き生きとした印象を与えるために使用されます。
人物写真で肌の色を自然に保ちつつ、背景の色を鮮やかにしたい場合などに有効です。
温かみ
温かみは、写真の色温度を調整するための設定です。
暖色系(オレンジや赤)のトーンを強調するか、寒色系(青や緑)のトーンを強調するかを選ぶことができます。
温かみを増すと、写真に暖かく親しみやすい印象を与え、逆に温かみを減らすと、冷たくクールな印象になります。
夕焼けや日差しの強いシーンなどでは、温かみを強調することが多いです。
色合い
色合いは、写真の色バランスを微調整するための設定で、通常は緑から赤紫までの範囲で調整されます。
特に肌の色が不自然に見える場合などに役立ちます。
その他の調整項目
シャープネス
シャープネスは、写真のエッジやディテールを強調するための設定です。
画像のコントラストを高めることで、被写体の輪郭をより明確にし、全体的に鮮明な印象を与えます。
被写体が動いていたり、手ブレがある場合には、シャープネスを上げることで、視覚的にクリアに見せることができます。
精細度(Clarity)
精細度は、画像の中間調のコントラストを調整する機能です。特に、中間トーンの明暗を強調することで、全体的なディテール感を向上させることができます。
シャープネスと異なり、エッジの強調ではなく、全体の質感を引き立てます。
精細度を上げることで、画像に奥行き感が生まれ、特に風景や建物のディテールが際立ちます。
人物写真では肌の質感を際立たせつつ、顔の輪郭を優しく保つことができます。
ノイズ除去(Noise Reduction)
ノイズ除去は、画像内のランダムな色の変化や粒子状の雑音(ノイズ)を減少させるプロセスです。
ノイズを除去することで、より滑らかでクリアな画像が得られますが、過剰に処理すると詳細部分が失われることがあります。
ビネット(Vignette)
ビネットは、写真の周辺部分を徐々に暗く(または明るく)する効果です。
写真の中心部を強調することで、構図を引き締める効果があります。
また、写真にヴィンテージ風の雰囲気を加えるためにも利用されます。
かすみの除去
かすみの除去は、赤系統以外の領域の明るさを調整するのに効果的です。